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2024.06.13 THU

ブランド紹介 〜FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)〈中編〉〜

ブランド紹介 〜FRITZ HANSEN(フリッツ・ハンセン)〈中編〉〜

コンテンツ・テキストデザイナー 安達 剛士

1982年、鳥取県生まれ。
北欧インテリアショップに10年以上勤務し、鳥取、東京で約8年間店長を経験。北欧の暮らしにある本質的な豊かさに魅了され、自分らしさを楽しめる暮らし、コーディネートを多数手掛けた。
2022年より故郷の鳥取に戻り有限会社フォーリア・インテリア事業部を設立。インテリアコーディネーター資格を持ち、空間ディレクションの他、暮らしを楽しむ発信を行うなど広くインテリアに携わる。
2児の父でありながら、子どものように好奇心旺盛なインテリア愛好家。

デザイナーとの輝かしいコラボレーションの歴史

世界中の先見性あふれるアーティストやデザイナー、建築家とのコラボレーションもまた、〈フリッツ・ハンセン〉の輝かしい歴史を築いています。アルネ・ヤコブセン、ポール・ケアホルム、ハンス J.ウェグナーにコーア・クリント。かつてデンマーク家具黄金期を築いた錚々たるデザイナーたちの名が並ぶのに加え、セシリエ・マンツ、ピエロ・リッソーニ、ハイメ・アジョンといった現代のインテリアデザインを牽引するデザイナーたちも名を連ねています。

コラボレーションのはじまり

そのコラボレーションの歴史は、1930年代から本格化しました。1934年にアルネ・ヤコブセンによるデザイン、ベルビューシアターレストランのクランペンボーチェアが発表され、1936年にはコーア・クリントによってデザインされたチャーチチェアが発売されました。1940年代に入ると、ハンス J.ウェグナーによるチャイナチェアや、ピーター・ヴィッツ&オルラ・ムルゴー・ニールセンによる組み立て式家具AXチェアなど、デンマーク家具の歴史にとって意味深いデザインが誕生しました。

ベルビューレストランに並ぶクランペンボーチェア

アルネ・ヤコブセンとポール・ケアホルム、代表的な2人のデザイナー

1950年代は、アルネ・ヤコブセンと〈フリッツ・ハンセン〉の関係が強く深まった時代。アリンコチェアやセブンチェアなど時代を切り拓いた成形合板のチェアシリーズに加え、SASロイヤルホテル(現:ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)のために生まれたエッグチェアやスワンチェアなど、デンマークデザインのアイコンともいえる作品が多数生まれました。また、1980年代には、コル・クリステンセン社からポール・ケアホルム作品の多くの製造ライセンスを取得。こうして〈フリッツ・ハンセン〉の象徴的なデザインが加えられていったのです。

SASロイヤルホテル(現:ラディソン・コレクション・ロイヤルホテル)のエントランスホール

新たな時代へ

1990年代後半からのブランド方針の大きな転換に伴い、現代のデザイナーとのコラボレーションという新しい風も吹き込まれます。2002年、キャスパー・サルトがデザインを手掛けた屋内外両用のアイスチェアの発表は当時話題となりました。その後も、ピエロ・リッソーニ、セシリエ・マンツ、ハイメ・アジョンらの新進気鋭なデザイナーらも加わり、ブランドの持つ魅力がさらに広く発信されることとなりました。過去から現在に至る多彩なコレクションを持つ〈フリッツ・ハンセン〉は、常に時代の先を読みながらブランドとしての成長を続けています。

世界的なデザイナーたちと〈フリッツ・ハンセン〉の築く輝かしい歴史は、伝統のクラフツマンシップによって支えられているということも忘れてはなりません。そんなお話は後編へと続きます。

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fremtiden

「Fremtiden」はデンマーク語で
「未来へ」を意味する言葉。
私たちの決意と願いを込めて名付けました。

携わるすべての人たちが心豊かに過ごすために
「過去〜今〜未来」への道のりを
美しいところも、今起きている課題も
すべて正直に、皆等しく伝えます。

お店を通して、育てる人、作る人、使う人
みな理解し合い
ものにまつわるすべてを、
大切に丁寧に愛着をもって作り
使い、育て、次の世代へ
繋げていくことを願っています。

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