fremtiden brand manager Toshiyuki Hisatomi
fremtidenの発起人でbrand manager / product manager。1977年福岡県生まれ。大学卒業後、一貫してインテリアの世界に身を置き、営業・デザイン・設計・工場運営・品質管理・法務など、多種多様広範囲の業務を経験。様々な業務と立場、国内外の物作りの現場を見て感じた未来への課題・願い・希望を胸に、作り手と使い手双方が寄り添える豊かな未来を目指したブランド「fremtiden」を立ち上げ中。猫とラーメンと自転車をこよなく愛する、中学生の一児の父。
企画のはじまり
fremtidenの暮らしの提案、「買い足しの暮らし」と「道具の継承」のスタートを想起できるイメージを作ろう。これが企画のはじまり。というのも、2024年のリアル店舗開業まで、fremtidenをわかりやすくイメージで共有できる手段が無い。例えば、パンフレットを作る、広告を出す、ECの店舗イメージ伝える。皆さんとつながりの場となるところで、文字以外でのコミュニケーションが取れない。これがお店を作ってみると、思っている以上に大きな課題としてありました。
ビジュアルコンセプトを作ろう
2023年4月。早速ビジュアルを作るためのコンセプトの作成に着手。やったことは大きく5つ。誰にビジュアルを届けたいのか?何を伝えたいのか?どのような場所で撮るべきか?どのような物を置くべきか?私たちが表現できる範囲はどこまでか?これを洗い出して整理する。いろんな可能性を探りつつ、概ねこの整理で1ヶ月。出来上がったコンセプトは「二人の暮らしのスタート」。理想の暮らしの可能性を、数年かけて追うことで深みを出していく計画。なので、今回のビジュアルは「未完成であること」を強く意識することにしました。
いざ場所探しへ
2023年5月。コンセプトに沿う撮影場所を探します。選ぶ物件のポイントは2つ。物件に、一般的な社会人の二人暮らしの経済感に妥当性があること。暮らしにこだわりを持っていると感じられる内装であること。不動産会社やレンタルスタジオ、取引先のネットワークなどを用いて情報収集。が、しかし、そこは福岡という地方都市。首都圏に比べると圧倒的に少ない、条件に見合う場所。なんとかみつけたその場所は、福岡市城南区にある1973年に建てられたマンションの1室。フルリノベーションされた空間は、理想の場所を二人で探したというイメージにピッタリ。
暮らしの道具を選ぶ
次にやったのは、この空間におくべきインテリアの選定。選ぶスコープはもちろん「買い足しの暮らし」と「道具の継承」に適合する物。良い物を長く大切に使うことは大切ですが、一方で暮らしへの導入にはそれに応じた価格もします。それを一度に集め、生活に取り入れるのはなかなか大変なので、無理をせずライフステージに合わせながら必要な時に必要な数だけ集めていきませんか?そしてそういった道具を大切に使い、世代を超えて繋げていきませんか?という考え方。新しい生活を迎える二人が新しく買ったものと、祖父母や両親から引き継いだものを空間にミックスさせます。
撮影当日
2023年6月某日、ついに撮影本番です。前日に搬入は完了。今日はレイアウトとスチール撮影。fremtidenからは8名、外部メンバーから3名、カメラマン2名となかなかの本気具合。レイアウトは台本無し。この場に集まった全員が、ここに住む仮想の2名の暮らしを、コンセプトに沿う形で考えながら組み立てます。
最初はぎこちなかったレイアウトも、1時間もすればリズムが生まれます。ここに住む人たちはどんな暮らし方をするのか?メンバーがその場で議論をしながら、物や場所を入れ替えながら試行錯誤。美しく飾るというルームコーディネートではなく、実際に暮らしている光景を思い描きながらの普段着なルームコーディネートは、インテリア業界経験のあるメンバーでもレアな体験。
そうこうしながら約2時間半。出来上がったお部屋の様子がこちら。こだわりを感じさせながらも、いろんな所に未完成感を残すというのが今回のお題の中、すごく良い物をメンバーが作り上げてくれました。これを最後にカメラマンの方にパシャッと素晴らしい写真で収めてプロジェクト終了。fremtidenというお店を立ち上げる中で、大変貴重な経験になりました。来年か再来年、ここで過ごす人たちがどう変わっていくか、また新たなビジュアルを企画したい。強くそう思った1日となりました。協力してくれたメンバーのみんな、お疲れ様でした。