コンテンツ・テキストデザイナー
安達 剛士
北欧インテリアショップに10年以上勤務し、鳥取、東京で約8年間店長を経験。北欧の暮らしにある本質的な豊かさに魅了され、自分らしさを楽しめる暮らし、コーディネートを多数手掛けた。
2022年より故郷の鳥取に戻り有限会社フォーリア・インテリア事業部を設立。インテリアコーディネーター資格を持ち、空間ディレクションの他、暮らしを楽しむ発信を行うなど広くインテリアに携わる。
2児の父でありながら、子どものように好奇心旺盛なインテリア愛好家。
タオルと向き合い続ける想い
「まいにち、なんども、使うものにこそ 日常をちょっと良くする力がある。」これが渡辺パイルのものづくりの信念です。1963年、愛媛県今治市で創業。それ以来向き合い続けるタオルへの想いは品質へのこだわりに現れ、実際に使い込むことで感じる心地よさとして私たちへ伝わってきます。そんなものづくりの姿勢が評価され、2023年、渡辺パイルは経済産業省より「次代を担う繊維産業企業100選」に選定されました。
世界中から選りすぐる素材
ものづくりのこだわりのひとつが、厳しい目による「素材選び」です。アメリカ、インド、ウズベキスタン・・・、原料となる綿を求め世界中の産地へと足を運び、世界中で栽培されるそれぞれの綿の特徴を理解しながら、イメージするタオルに最適な綿を選びます。そして、農場の空気・人・環境を感じながらタオルのイメージを膨らませていきます。綿という素材、産地へのこだわりは、“しっかりサマルカンド”や、“ほわほわサンホーキン”のように、地名がタオルの名称にそのまま使われていることからも感じ取ることができます。※サマルカンド(ウズベキスタン)、サンホーキンバレー(アメリカ・カリフォルニア州)
タオルの品質に効果をもたらす水とは?
タオルの染色には大量の水が欠かせません。そんな水も、タオルの高い品質を保つ重要なポイントです。愛媛県の北東部に位置する今治市は、温暖な気候と良質な水に恵まれています。市を流れる蒼杜川の水は、不純物が少なく硬度も低いため、晒しや染めの際に糸を柔らかくしてくれる特徴を持っています。それはまた、綿糸や生地の白度や発色にも良い影響を与えます。
優しさでつながるものづくり
渡辺パイルは、環境や農家の人、使う人にとって優しい素材選びを行っています。また、製造過程においても、環境、人、素材にとって最も優しい加工法を選びます。そこに共通するのが「優しさ」という言葉。「まだ世にないタオルをつくりたい」。創業時から変わらぬ想いのもと、分業制を支える各工場、それぞれの人が優しさとともにつながることで1枚のタオルが出来上がります。そしてまた、タオルの新たな可能性に挑戦し続けていくのです。そんなひたむきなものづくりから生まれる“どうぐ”と付き合う暮らし。渡辺パイルのタオルは、毎日、何度も、私たちの肌に触れるからこそ、日常の小さな変化に気づかせ、さらに愛着を持って使い続けたくなる存在になっていきます。