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2024.07.18 THU

ブランド紹介 〜CARL HANSEN & SØN(カール・ハンセン&サン)〈後編〉〜

ブランド紹介 〜CARL HANSEN & SØN(カール・ハンセン&サン)〈後編〉〜

コンテンツ・テキストデザイナー 安達 剛士

1982年、鳥取県生まれ。
北欧インテリアショップに10年以上勤務し、鳥取、東京で約8年間店長を経験。北欧の暮らしにある本質的な豊かさに魅了され、自分らしさを楽しめる暮らし、コーディネートを多数手掛けた。
2022年より故郷の鳥取に戻り有限会社フォーリア・インテリア事業部を設立。インテリアコーディネーター資格を持ち、空間ディレクションの他、暮らしを楽しむ発信を行うなど広くインテリアに携わる。
2児の父でありながら、子どものように好奇心旺盛なインテリア愛好家。

次代へ受け継がれ、発展を続けるブランド

1960年代に入ると、カール・ハンセン&サンにとって再び難局が訪れます。1959年に創業者カール・ハンセンが、1962年にはホルガー・ハンセンが続けてこの世を去ることとなりました。そこで大黒柱となったのがホルガー・ハンセンの妻、エラ・ハンセンでした。彼女は、1988年に長男のヨルゲン・ゲアナ・ハンセン(カール・ハンセンの孫)に事業が継承されるまで、ブランドを守り、発展させました。

ホルガー・ハンセンの妻、エラ・ハンセン

2002年、ヨルゲン・ゲアナ・ハンセンの弟、クヌッド・エリック・ハンセンがCEO(最高経営責任者)に就任し、カール・ハンセン&サンは新たなステージへ歩みを進めます。生産拠点の拡大、ビジネスのグローバル化を図り、さらにかつての廃盤となった名作たちを積極的に復刻させる動きを活発化させました。

クヌッド・エリック・ハンセン

新しいモダンクラシックを目指して

カール・ハンセン&サンの製品ラインナップは、過去の名作だけが並ぶわけではありません。ストランド+ヴァス、トーマス・ボー・カストホルム、ナヤ・ウッソン・ポポフといった次なる世代のデザイナーたち、また、日本の建築家である安藤忠雄やオーストラリアのデザイナートリオのイーオスら海外のクリエイターとのコラボレーションによって、カール・ハンセン&サンは“新しいモダンクラシック”を創造すべく取り組んでいます。

デザイナーデュオ、ストランド+ヴァス
安藤忠雄

受け継がれる信頼のものづくり

親子3代に渡って受け継がれてきたこと。カール・ハンセン&サンにおける、“暮らし”に配慮したものづくりもそれに当たるでしょう。その製品を使う人々、またその生産に関わる全ての人々にとっての安心・安全は、100年以上の歴史で育まれてきたブランドの土台ともいえます。信頼できる素材選びや、最新設備への投資も、全てここに繋がります。生産に関わる工程を常に見直す姿勢が、ブランドを日々成長させているのです。

ブランドが取り組むサステナビリティ

長く付き合うことができ、受け継ぐことのできる製品を生み出すことは、人や自然環境に対するブランドの責務でもあります。そんな製品を守り続けるため、熟練した職人が修理、張替えなどを行う体制を整えていることもカール・ハンセン&サンの特筆すべき点です。そして、それを未来へ繋げる次世代の職人の育成にも取り組んでいます。一方で、素材選びから生産過程を通しての一連の流れの中にも、サステナビリティに繋がる配慮が随所になされています。余分な廃棄物を出さないことはもとより、製造過程で出る端材が地域暖房設備の燃料として再利用されることもその一例です。

デンマーク王室御用達という絶大な信頼を誇るカール・ハンセン&サン。今日も最高品質のクラフツマンシップとともに、未来へ続く“一生モノ”を生み出し続けています。

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fremtiden

「Fremtiden」はデンマーク語で
「未来へ」を意味する言葉。
私たちの決意と願いを込めて名付けました。

携わるすべての人たちが心豊かに過ごすために
「過去〜今〜未来」への道のりを
美しいところも、今起きている課題も
すべて正直に、皆等しく伝えます。

お店を通して、育てる人、作る人、使う人
みな理解し合い
ものにまつわるすべてを、
大切に丁寧に愛着をもって作り
使い、育て、次の世代へ
繋げていくことを願っています。

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